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2015年2月11日 (水)

内田賢治氏編著「大沼枕山逸事集成」

龍谷大学図書館の内田賢治氏編著『大沼枕山逸事集成』が太平書屋から出版されました。実にご苦労のほどが偲ばれる一冊です。

 枕山の人となりが親しみやすく、いきいきと感じられ楽しい。

 中の一編に門人の河合次郎が枕山没後の明治24年に新聞に連載した「枕山先生逸事」があります。その連載第十五回の記事に安政の大地震直後に、すぐさま枕山が“地震行”と題した詩を作ったことが記されています。記事には

・・・ 安政二年十月二日都下(とか)地大に震ふ先生長篇を賦し直(たゞ)ちに片紙に印刷して知己(ちき)に頒(わか)つ或ハ曰く書舗(しょほ)に命じて之を售(う)る幾千百葉(ゑう)一時に散布す大に都下に膾炙(くわいしゃ)せり ・・・ とあり、その詩 ・・・ 大災異に遇(あ)はざれば真の敬戒を知らず ・・・ に始まる長い詩が全文載せられています。

 大地震の恐ろしさ悲惨さが、最近起きた災害の惨状と重ね合わせて想われて身に迫ります。

 内田氏はこの詩について「地震から政道を諷諫した作であり、刊行詩集からは窺われない枕山の一面が窺われる作として注目すべき作といえる」としておられます。

 諷諫(ふうかん)= 他のことに事よせてそれとなくいさめること。

枕山は幕府へ、民への救済への素早い対応を求めているのです。

 “花鳥風月の詩興に遊んだ”ばかりではなかった枕山先生がここに居ました。

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