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2015年3月21日 (土)

枕山先生は豆腐がお好き

 明治20年に刊行された西田春耕著「口嗜小史」は、江戸中後期の文人たち多数の食物の好みをとりあげた書で、それぞれの人柄を彷彿とさせる面白い話しが書かれています。著者の西田春耕は画家です。

 その中で、大沼枕山は豆腐が好物だと書かれ、豆腐の詩を作って返礼したことが記されていますので、ここに紹介します。

 

 “山人(枕山人=大沼枕山)曰ク、余豆腐ヲ愛ス。信州ノ人之ヲ知リ、年々凍豆腐ヲ送リ来ル。詩ヲ以テ謝セント欲シ、稿已ニ成レリ。其詩ニ云、

了冬晴箇々全。嚢盛筐貯遠堪伝。東都気暖凝成脆。北信風厳凍得堅。

彼金峰緻密。比他黄檗軽便。晃山消夏曾遊寺。下酒尤宜浸冷泉。“とあります。

(脆=もろい 晃山=日光 消夏=暑さをしのぐ 下酒=下酒物(酒の肴)

枕山先生は豆腐がお好きでした。勿論お酒あってのこと。

著者の春耕も無類の豆腐好きです。

 

「口嗜小史」は他にも数多くの文人の食の好物が上げられていて、渡辺崋山の団飯豆油炙(ニギリメシショウユノツケヤキ)をはじめとして、藤田東湖の炙鰍鰻(ウナギノカバヤキ)、徂徠の炒豆(イリマメ)、外史は丹醸(イタミザケ)とあります。さればあの方はと繰ってみますと梁川星巌老人は羊羹でした。

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