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2015年8月17日 (月)

ドナルド・キーンさんと枕山の『東京詞』

  8月9日の東京新聞「ドナルド・キーンの東京下町日記」には寄贈した書籍などのコレクションに囲まれたドナルド・キーンさん=東京都北区の区立中央図書館でとして、お元気なキーンさんの写真(伊藤遼氏撮影)が掲載されていました。

 

 そしてふとキーンさんの後ろの掛け軸に目が止まったのです。

もしかして枕山! 早速出掛けました。

Photo_4

 北区立中央図書館では、ドナルド・キーンさんからの寄贈図書を「ドナルド・キーン コレクション」として公開しています。

 

 図書総数787冊、絵画6点、掛け軸1点です。この掛け軸は大沼枕山の『東京詞』で展示されていてちょっと見えていたのでした。

 

 『東京詞(とうけいし)』は明治2年江戸が明治に激変するさまを詠んだ七言絶句三十首です。江戸の文人である枕山には文明開化に右往左往する東京は耐え難かったのでしょう。その詩は揶揄いっぱいのものでしたから、弾正台の糾問を受けた(廃却処分を命じられた)のです。しかし江戸情緒が失われていくのを惜しむ人々からは喝采をうけたようです。明治24年亡くなるまで丁髷姿を通した人ですから。

 

 キーンさんはその著書「日本文学のなかへ」昭和54年9月30日(株)文芸春秋発行

 

 ・・・木下彪の著書『明治詩話』を見つけたのも同じころである。あの本は戦時中の出版で、五百部しか刷られていなかった。ところが、やはり京都の古本屋で出遇ったために、私は大沼枕山のことを書けた。永井荷風も『下谷叢話』に枕山伝を書いてはいるが、明治元年から二年にかけての枕山の作である『東京詞三十首』を散佚したものと信じていた。『明治詩話』に教えられて、私は明治文学の最初の作品にめぐり合ったのである。・・・としておられます。

 

 『東京詞』はキーンさんによって再び世に出る事が出来たのです。

 

 掛け軸は『東京詞三十首』中の一首を枕山が書いた一幅でした。出会えた私は感激するばかりです。キーンさん有難うございました。

(参考)Wikipedia 「東京詞」https://ja.wikipedia.org/wiki/東京詞

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